ボーイスカウトとは

(ボーイスカウト日本連盟「ボーイスカウト研修ノート」より)


1.スカウト運動の始まり

 創始者はイギリス人のベーデン・パウエルです。ベーデン・パウエルは軍を退役後、ロンドンの子ども達の様子を見て、良い社会人に育てるためにはどうすれば良いかを考え青少年の教育法の本を書きました。この教育法を実践するために1907年にブラウンシー島でキャンプを行いました。これがスカウト運動の起こりです。イギリスのスカウト運動はヨーロッパ各地に広がり、1909年にアメリカに伝わりました。そして、1916年にアメリカでウルフカブが誕生しました。これがカブスカウトです。1920年には第1回世界ジャンボリーが開催され、世界中のスカウトがひとつに集まりました。

ボーイスカウトは現在171ヵ国に広がり、約4000万人の会員が活動しています。日本には約9万人のスカウトがいます。


2.スカウト運動のねらい


Creating a Better World より良き世界をつくる


3.スカウト教育の目的

青少年がその自発活動により、自らの健康を築き、社会に奉仕できる能力と人生に役立つ技能を体得し、かつ、誠実、勇気、自信及び国際愛と人道主義を把握し、実践できるように教育すること。


4.スカウト教育の目指すもの

より良き社会人の育成
・社会に貢献できる人の育成
・リーダーシップがとれる人の育成
・グローバルで活躍する人の育成


5.ボーイスカウトの価値観

モットー「そなえよつねに」
スローガン「日々の善行」


6.ボーイスカウトの5つの部門と活動目標

上進時季は、団により異なり、当団では9月上進ですが、4月上進の団もあります。

・ビーバースカウト 小学校入学前年の9月~小学校2年生の8月

ねらい「集団への参加」
隊の活動への参加や家庭での生活指導によって、自然に親しみ、基本的な生活技能、社会性、表現力を伸ばします。

・カブスカウト 小学校2年生の9月~小学校5年生の8月
ねらい「しつけの指導→集団への適応」
組や隊での活動、及び家庭や近隣社会での生活指導に参加することによって、良い社会人としての基本を習得します。

・ボーイスカウト 小学校5年生の9月~中学校3年生の8月
ねらい「自発活動の奨励→集団における役割」
班及び隊の活動に参加することによって自分の責務を果たし、野外生活を主とした体験学習を通して良き社会人たる資質の向上を図ります。

・ベンチャースカウト 中学校3年生の9月~18歳まで
ねらい「自主活動と自己目標の発見→個人の完成」
隊やグループに参加し「ちかい」と「おきて」の実践及びグループワークの手法を用いたプログラム活動を通して、自ら考え行動し、その結果に責任を負うことができることを目指します。

・ローバースカウト 18歳以上~25歳以下
ねらい「自己探求奉仕」
「ちかい」及び「おきて」を各自の生活により明確に具現化する機会を与えるとともに、自らの有為の生涯を築き、社会に奉仕する精神と体力を養うことを目指します。


それぞれの部門の活動目標

(ボーイスカウト日本連盟「ボーイスカウト研修ノート」より)

ビーバー

  • 神(仏)と身の回りの人について認識させる。
  • 自然に親しませる。
  • 表現力を伸ばす。
  • 所属する喜びを味わわせる。
  • 考える力を育てる。
  • 健康と安全について知らせる。
  • 活発に活動させる。
  • 体験をとおして学ばせる。
  • 愛と感謝の心を育てる。
  • 国際組織の一員であることを知る。

カブ

  • 神(仏)を敬い、自分の責任を認識させる。
  • 自然に親しみ愛護する心を育てる。
  • 小グループの中で、相互に影響しあう機会を提供する。
  • 所属意識を伸ばし、目的を達成したときの充実感を感じさせる。
  • 自ら考え判断し決断する力を養う。
  • 健康を安全について認識させる。
  • 好奇心と冒険心を満足させる。
  • 体の動きを高め、創造力を伸ばす。
  • 体験をとおして学ばせる。
  • フェアプレーの精神と正義感を養う。
  • 愛と感謝の心を育てる。
  • 国際組織の一員であることを学ぶ。

ボーイ

  • 神(仏)を敬い、自分のつとめを行う。
  • 野外活動により大自然を知る。
  • 自分の役割と責務を果たすことを学ぶ。
  • 人生に有用な知識と技能を習得する。
  • 自ら考え判断し決断する力を養う。
  • 自分の特性と長所に目覚め創造力を伸ばす。
  • 健康の増進につとめ、身体を強健にする。
  • 好奇心と冒険心の満足する活動を行う。
  • リーダーシップを身につける。
  • 他の人々に役立つ奉仕活動を行う。
  • フェアプレーの精神と正義感を養う。
  • 愛と感謝する心を養う。
  • 国際組織の一員として国際理解について学び、体験する。

ベンチャー

  • 「ちかい」と「おきて」の実践に励み、信仰を深める。
  • 各種の文化的及び社会的活動に参加し、自ら計画したプロジェクトを達成する。
  • 野外活動を通して自らの健康の増進を図り、自己の確立を目指す。
  • 指導者の援助を得て、各種身体的活動に挑戦する。
  • 他の人々への理解を深めるとともに、奉仕の精神を身につけ、団や他部門への協力と地域社会に対する奉仕に努める。
  • 協調性とリーダーシップを養うとともに、社会の一員としての自覚を深める。
  • 国際組織の一員として、国際活動、国際協力について学び、実践する。

ローバー

  • 明確な信仰をもち、自己の所属する教宗派の行事に進んで参加する。
  • 高度な野外活動により、心身を鍛錬し、スカウト技能を磨き奉仕能力を向上させる。
  • 自ら課題を設定し、調査、実験及び実習によってこれを研究し、自己の生活を更に開発する。
  • ビーバー隊、カブ隊、ボーイ隊又はベンチャー隊の訓練指導に協力し、奉仕する。
  • 地域社会への認識を深め、地域に貢献する。
  • 国際理解、国際社会の一員として相互理解を深め、国際活動、国際協力について学び、実践する。